生薬の話

生薬は植物だけではない!動物からできる生薬もあるんですよ~。

牡蠣の貝殻は生薬に

こんにちわ~~、虫は触れない都会っ子のりんりんです。
子供のころは蟻んこすらも触れませんでした。
もちろん今でも極力触れたくないのですが・・・Gキブリが出たときは本気出します。
ゴキジェットでの命中率は80%を超えます。なんの話だ笑
今回の記事では動物性の生薬の話。実際臨床では特に役に立ちませんのであしからず。

生薬の種類

植物性

これは皆さん想像のとおり簡単!
草と根っこと木とその皮。
↑を乾燥や解毒処理して粉砕したりするとできますね。

動物性

あれ動物も生薬なのって思いました?
実は漢方の中には動物性の生薬は意外と入っているんですよ~。
中国の市場にヘビとか熊とか色々売ってますよね。怪しい市場なので衛生面とかが非常に気になるところです。
実際今回のCOVID-19も武漢市場のコウモリからだとかの情報が出回っていますね。
食事にしたら絶対食べないようなものが生薬になっているので後述します!

鉱物性

え・・・まさかの石も薬として使えるの?
そうです石ですよ。金粉とか食べられますよね→あれとは少し意味合いが違いますが。
粉々にした鉱石や化石類が構成されている漢方があります。
そして意外と重要かつ植物性には得られない効果があったりします。これも後述。

動物性生薬

先述のとおり動物性生薬はとても少ないです。
第16改正日本薬局方(日本の医薬品に使える成分の一覧)に収載されている動物性生薬はなんと6種類!
生薬類164種のうち6種類(4%)としかない貴重な生薬なんですね!
たったの6種類しかないので簡単にご紹介。どんな漢方に入ってるかも要チェックですぞ。

生薬読み
牛黄ゴオウ牛の胆石
蟾酥センソガマの分泌物
蜂蜜ハチミツ蜂のみつ
牡蛎ボレイ牡蠣の殻
熊胆ユウタン熊の胆嚢汁
ローヤルゼリーミツバチの分泌物
動物性生薬6種

牛黄(ゴオウ)

簡単に言うと牛の胆石です。
人間でも胆石が詰まると胆嚢炎とか病気になってしまうので内視鏡で取り除きます。
古来中国の書物「新農本草経」では不老長寿、万能治療薬として珍重されていたようです。
成分としてはビリルビン色素、胆汁酸類です。
肝臓の数値が上がったときに使ったり、解熱鎮痛作用もあるようです。
処方漢方には含まれません。

蟾酥(センソ)

カエルって触ったことありますか?
薬学部に行くと生物解剖の講義があるので、初めてでっかいカエルをその時触りました。
ヌメーーっとしてとても気持ち悪い!カエルってヌメヌメしてますよね。
また魔女の危ない呪いの毒薬を作る時もよくガマガエルの油が必要ですとか言って、採取するシーンとか見覚えありません?
その油分こそが蟾酥。ガマガエルの耳下腺からでる毒腺分泌物を乾燥して固めたものになります。
これも古くから使われており、強心作用や局所麻酔作用があるので一般薬でいうと救心に配合されています。
処方漢方には含まれません。

蜂蜜(ハチミツ)

みんな大好き甘い蜜の蜂蜜です。
紅茶に入れるとおいしいですよ。最近ではマヌカハニーが効くとか。
個人的意見ですがマヌカハニー飴は喉の痛みにかなり効く気がします。また喉が痛いときは蜂蜜直飲みも効果的ですよ。
蜂蜜の役割は2つ
・結合剤・・・桂枝茯苓丸などの丸剤を作る時の結合剤(ノリみたいな役割)
・漢方成分として・・・烏頭湯、大半夏湯

牡蛎(ボレイ)

カキの貝殻です。これは手に入りやすい!食用で養殖しているし、食べ終わった殻かも手に入る。
科学的な成分は炭酸カルシウムです。水垢の原因でクエン酸と反応して落ちる、掃除の敵でもあります。
身近なものだと子供がよく見る校庭にひく白線も炭酸カルシウムです。
漢方では
・柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝加竜骨牡蠣湯
・安中散
精神神経用薬として神経を安らかにする作用が上段、制酸作用があるので胃腸薬の安中散にも構成されています。

熊胆(ユウタン)

熊と胆なので想像のとおり熊の胆汁です。
詳しく言うとヒグマやツキノワグマの胆嚢・胆汁を乾燥したものになります。
熊1匹につき1個しか取れないので大変貴重+ワシントン条約で規制がかけられているので実質使うのは難しい。
現在では代替物として牛や豚の胆汁が使われています。
あれ、牛黄と一緒やない?

☆牛黄は胆嚢中にできた石
☆熊胆は胆嚢・胆汁そのもの

・・・なので少し違いますね。
処方漢方には含まれていません。

ローヤルゼリー

よく栄養剤とかに配合されています。飲むと元気になりそうな気がしますね!
はてその実態は何でしょう。
ミツバチの頭部分泌腺から出る液やそれを乾燥したものになります。
女王バチの栄養源になるのだから栄養抜群です。
ですが、処方漢方にはございません!

鉱物性生薬

お次は鉱物性の生薬です。動物性と違って自然に落ちているものを拾ってくる感じです。
なので頑張って採取します。といってもほぼ中国からの輸入に頼っているのが現実です。
漢方原料は中国と密接しているので自給自足ができないのが難点ですね。

生薬読み
滑石カッセキ中国
石膏セッコウ中国
鉱物性生薬2種

滑石(カッセキ)

日本と中国では流通品に若干の違いありますのでここでは日本流通のものを。
滑石は主にケイ酸アルミニウム系統の粘土鉱物です。
主な漢方は
・猪苓湯
 猪苓をはじめ沢瀉などで構成されており、滑石は水の分布を調節する作用がある(利水)
・防風通聖散
 肥満に有名な漢方。白朮と同じ水の分布を調節+滑石には熱さましの作用もある。

石膏(セッコウ)

石膏も中国からの輸入になります。
成分は天然の含水硫酸カルシウムです。滑石と同じくカルシウムの石です。
有名な作用としては清熱があります。
生薬として強めの大黄や附子の作用調節=さじ加減として用いられることが多いです。
主な漢方は
・白虎湯
 風邪症状に、熱を冷まして潤いを(清熱)
・防風通聖散
 効能は前述、熱を冷ます(清熱)
・麻杏甘石湯
 小児喘息に。熱を冷ます(清熱)、温める麻黄が入っているためバランスをとります。

まとめ

・生薬には植物性以外に動物性と鉱物性がある。
・それらの種類は少なく希少性も高いものが多い。
・手に入りやすい牡蠣は神経症状と胃腸症状に。
・鉱物性生薬は水の調節と熱さましに。

珍しい生薬について記載してみました。
漢方を手に取る時は成分表もじっくり見てどんな作用があるか各生薬にあるか確認できると選択肢が広がりますよ!
ではこのへんで~~~!