こんにちわ!りんりんです。
この記事では長引く咳part2についてです。
以前↓の記事を書いてますので、まずは麦門冬湯を読んでくださいね。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?

<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びく。
また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの。
胸脇苦満がある。
比較的体力が低下~中等度の人向け。
具体的な病名
不眠と長引く咳
構成生薬を紐解いてみます。

生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
半夏 | ハンゲ | 5.0 g | 去痰、止咳 |
柴胡 | サイコ | 3.0 g | 疏肝、清熱 |
麦門冬 | バクモンドウ | 3.0 g | 滋陰、止咳 |
茯苓 | ブクリョウ | 3.0 g | 安神、補気 |
桔梗 | キキョウ | 2.0 g | 去痰、止咳 |
枳実 | キジツ | 2.0 g | 疏肝、清熱 |
香附子 | コウブシ | 2.0 g | 疏肝、清熱 |
陳皮 | チンピ | 2.0 g | 去痰、止咳 |
黄連 | オウレン | 1.0 g | 清熱、鎮静 |
甘草 | カンゾウ | 1.0 g | 補気 |
生姜 | ショウキョウ | 1.0 g | 補気 |
人参 | ニンジン | 1.0 g | 補気 |
竹茹 | チクジョ | 3.0 g | 清熱 |
味やにおいなどといった性状
味:渋い
におい:漢方特有のにおいだが臭くはない・・・と筆者は思う。
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖、ショ糖脂肪酸エステル
この漢方は味が特徴的です。
生薬は一般的に五味(酸味,苦味,甘味,辛味,鹹味 (塩味) )で分類されるのですが、
渋みってない!
でも苦いコーヒーと渋いお茶って明らかに味が違いますよね。
一説によると渋みは味というより舌感のようです。
渋柿や渋茶を摂取したときの独特の引っかかり感が渋みと表現されるようですね。
竹茹温胆湯も独特な舌触りがあるみたい。
こんだけ大量の生薬で構成されているので味もごちゃ混ぜになりそうです・・・
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。お子様も注意が必要です。
生薬の薬能
竹茹温胆湯は止咳と安神が主な薬能になります。
・咳を止める作用 :竹茹、麦門冬、桔梗、半夏、陳皮
・精神を安定させる作用 :黄連、茯苓
・肝臓の機能を高める作用:柴胡、枳実、香附子
咳を止める作用があるのは当然なのですが麦門冬湯に比べると色々と増えています。
安神と疏肝は少し特徴的なので別に書きますね。
<安神>
黄連と茯苓が持つ薬能です。
ひどい咳が長引いてくると夜も眠れなかったり、動悸や精神不安に陥る可能性があります。
この二つの生薬は精神症状を少し安定させてくれます。
イライラしたりドキドキする症状も一緒にある場合に良いでしょう。
<疏肝>(そかん)
実は疏肝も精神症状に繋がってきます。
疏肝は肝の気を通すという意味があります。ストレスなどによって気が滞ること=肝気鬱結が起こると抑うつやイライラなど感情の起伏が激しくなります。これにより不眠症状などが現れます。
肝気鬱結を解く→疏肝 は安神に繋がるんですね!
実際どうやって使うの

長引く咳でイライラが増した人
麦門冬湯など試したけど一向に咳が収まらない。
それどころかイライラや動悸がして夜も眠れない。いつ治るんだろうという気鬱も。
そんな症状を落ち着かせてゆっくり休ませてくれます。
インフルエンザ後の残った咳に
保険適応でインフルエンザに対して使える漢方が麻黄湯とこの竹筎温胆湯になります。
急性期のインフルエンザには麻黄湯を。
その後の補助的な治療で竹筎温胆湯を。
急性期では圧倒的に西洋薬であるタミフルやイナビルの使用頻度が高いため麻黄湯の役目はあまりないでしょう。
でも解熱してまだ少し心配だなぁって時に竹筎温胆湯が活躍します!
副作用

・偽アルドステロン症:甘草の重複により起こりやすくなります。
・低K血症:これも上記のとおり
こちらの記事に詳細ありますので是非
・ミオパチー
まとめ

・いっぱい生薬が入っている!ので味は渋み、、少し飲みにくいかも。
・精神を安定(安神)させ不眠を解消。
・安神には疏肝(肝の気を通す)が肝(きも)になる。
・インフルエンザ後、咳が残って不安ならドンピシャ!
必ずしもインフルエンザ後でなくても使えますが、唯一インフルエンザの適応があるのは心強い漢方ですね。
冬場は活躍するかもしれません。
ではではこのへんで~~。