こんにちわ、新しいもの好きのりんりんです。
最新のガジェットや雑貨が発売するとすぐに使いたくなってしまいます。
薬も日進月歩で抗がん剤や抗生剤やワクチンなどなど、世に出るスピードは以前と比べ遅くなってはいますが確実に進化を遂げ、承認→処方されています。(西洋薬は)
このブログで扱っている医療用の漢方ですが、最新の漢方っていつ承認されたでしょうか。
この記事では医療用漢方薬の開発や歴史について考えていきますよ!
一番新しい漢方は約30年前だと!?
「先月、新しい点滴出たよね~。」
「この新しい薬の説明会を行いたいのですが~。」
なんて会話が薬局の日常ではされます。
薬剤師であれば新薬の情報には敏感です。またMR(医薬情報担当者)さんも新薬が出ると病院内の医師へ使ってほしくプロモーション許可を求めにDI室へ来たりします。
っとここまでの話は全て西洋薬。
筆者が薬剤師になってから漢方薬では1回もありませんでした。悲しきかな・・・
それもそのはず。
漢方が最後に新規承認された年は1987年!
その年に医療用漢方147処方が薬価基準に収載されたのです。でもそれっきり。。
7年前に新しい承認基準が
1980年に「医療用配合剤の取り扱いについて」という承認基準が発令されました。
要は漢方の新しい基準です。元々申請済みであった漢方はこの新基準から逃れられ、以前の緩い基準で審査がされました。
承認基準が厳しくなった!
具体的には臨床データが必要に。
先ほど緩い基準という表現を使いました。新しい承認基準には臨床データが必要になったのです!
今となっては当たり前のように試験されていますが、昔はなかったのが逆に驚きですが。
臨床データを取る=治験のことです。
煎じ薬といえども臨床データは必要でしょうに。
いいえ、必要なかったのです。
だって歴史が長いんですもの。
今の西洋薬の元である有効成分:エフェドリンやペニシリンの発見、単離されたのはせいぜい1800年代~。
漢方という名の中国医学が伝来してきたのはなんと6世紀!
そんだけ昔から人々に使われていたのだから数年間の臨床データなんかより、有効性と安全性はすでに担保されてますよって考え方だったのでしょうね。
昔の漢方は煎じ薬だったけど今はエキス製剤ですよ。
はてここでまた一つ疑問が出ます。
昔々はカプセルや顆粒剤を作る製造技術はありませんでした。
それこそ「千と千尋の神隠しで出てくる窯爺が生薬をごりごりやってお湯で煎じて飲む!」方法しかなかったわけです。
成分を濃縮して生薬のエキスを顆粒や錠剤にして効き目は同じなのでしょうか。
濃縮時の成分の損失や変性は全くなかったのだろうか。安全性は担保されているのだろうか。
しかし、昔から使われてた煎じ薬とエキス製剤はその当時、同じとみなされた!!
今、煎じ薬とエキス製剤を試験したらどうなるだろうか・・・莫大な費用と時間がかかるけど
新漢方の開発は?
実際のところどうなんでしょ。でも30年間も新漢方は承認されてないのだからできない理由があるはずですよね。
すでに必要とされる漢方は承認済。
過去の歴史から多方面にわたる症状に対しての漢方はすでに承認されているのです。
臨床データを出すには莫大な費用がかかる。
臨床データを出すには治験をする必要があります。それには金ですね。
世の中お金がないとお話しにならないわけです。
そして漢方に使われる生薬はほとんどが輸入に頼っている状況です。
その費用をペイできるかというと中々難しいみたいです。
漢方という特殊市場には入りにくい。
生薬原料の確保や加工・販売まで独特なノウハウが必要になります。
新しく参入するのは厳しいのと採算が結局見合わないのでしょうね。
本当に薬効を証明しきれるか。
これも難しいところ。
漢方には複数の生薬があり効能効果も複数にまたがります。
それらを医学的に証明しきれるかというところ。
新しい使い方で発展していく。
大建中湯の術後イレウスだったり。
牛車腎気丸の化学療法後のしびれだったり。
漢方に承認されている適応は症状によるものなのでいくらでも応用がきくんです!
このような応用をどんどん広げていければ漢方の裾野は広がるでしょう~。
まとめ
・約30年間新規の医療用漢方は出ていない。
・現在の新規医薬品の承認基準は厳しい。
・新しい使い方、応用することで漢方は発展していく!
今回は新漢方の裏事情を書いてみました。
今後も漢方が広く発展することを切に願うばかりです。
ではでは~~~!