こんにちわ、こんにちわと打とうとすると8割タイプミスでこんいちわになるりんりんです。
突然ですが、
寝ているときに足がつること最近ありませんか?
しゃっくりが出ることありませんか?
どれも突然いきなり起こる症状ですよね。深夜に足がつると痛みで悶え必死に逆方向に伸ばそうとした記憶が筆者にもあります。
この記事では足のつり=こむら返りによく使う芍薬甘草湯について紐解いていきましょう。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?
<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
急激におこる筋肉のけいれんを伴って出る痛み、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛。
証は万人に。血が不足した状態に対して補う。
具体的な病名
こむら返り(足のつり)
吃逆(しゃっくり)
筋肉痛、関節痛
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
甘草 | カンゾウ | 6.0 g | 滋陰、止痛、鎮痙 |
芍薬 | シャクヤク | 6.0 g | 補血、止痛、鎮痙 |
味やにおいなどといった性状
味:わずかに甘い
におい:漢方特有のにおいだが臭くはない・・・と筆者は思う。
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖
甘草が多めに入っています。味は甘めなので飲みやすい漢方です。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。お子様も注意が必要です。
生薬の薬能
構成生薬がたったの2つなのでもう生薬2つを解説するしかないのですが。
共通の薬能は止痛と鎮痙。
足つりもしゃっくりも筋肉のけいれんが原因となります。
そのけいれんに対してダブルパンチで効果を出すのが芍薬甘草湯です。
もう少し詳しく書くと。緊張緩和の作用になります。
それぞれが異なる機序から緊張緩和することで相互に薬能を補い高めあう効果があるのです。
<補血>
芍薬には血虚を補う効果である補血効果があります。
筋肉のけいれんは血流の悪さからくる血虚が原因として考えられます。
<滋陰>
これも補血と同じで体の不足している水を補充してくれる作用。
筋肉に潤いを与えることで筋肉痛をやわらげます。
実際どうやって使うの(症状別筋けいれん)
基本的な使い方としては頓用が推奨されます。
痛みが出たときや出そうなときに。
理由は甘草がかなり多めに含まれていることからです。<後述>
足がつる(こむら返り)
圧倒的にこの症状に使われます。
足がつりやすい人には夜眠る前に予防的に使ったりもしますよ。
しゃっくり
しゃっくりは横隔膜のけいれんと知られています。
横隔膜とは呼吸(特に息を吸うとき)に骨盤のほうへ下がり同時に肺も下に引っ張る筋肉です。
つまり横隔膜も筋肉であり、何らかの原因でけいれんが起こって、息を吸う動作と声門の閉鎖運動が同期された結果、「ひっく」という音が出る仕組みのようです。
細かいしゃっくりのメカニズムは置いといて。
足のつりは一過性ですが、しゃっくりはしばらく継続するのが苦痛ですよね。
その他の痛みなど
症状別じゃないやんといわれそうですが。実際には色々な筋肉痛に使うのでまとめました。
抗がん剤投与後の筋肉痛や関節痛の予防。
痔の手術後の疼痛改善に。
大腸内視鏡時の腸管運動の抑制に。
機能性月経困難症に対する痛みに・・・婦人科のガイドラインではエビデンスレベルCですが、頓用で用いることが推奨されています。
副作用
・偽アルドステロン症:甘草の重複により起こりやすくなります。
・低K血症:これも上記のとおり
こちらの記事に詳細ありますので是非
・ミオパチー
1日3回全部で芍薬甘草湯を7.5g飲むと甘草がなんと6g!
2.5g/日以上の甘草摂取で偽アルドステロン症や低K血症の副作用に注意が必要となります。
基本原則は頓用ですが、肩こりや他筋肉痛で常用する必要がある場合、他に漢方を飲んでいる人は甘草の重複に十分注意してください。
まとめ
・芍薬と甘草から構成される漢方。
・痛みとけいれんに即効性。
・甘草がとにかく多く含まれるので重複だけは注意。
単純な生薬ほど効き目が強く効果が出やすい反面、注意点もあるので気を付けましょう!
ではではああ~。