こんにちわ、りんりんです。
今回は小建中湯という建中湯の一つの漢方を解説していきます。
お子様に小建中湯が処方されたときに本当に使えるのだろうかと迷ったりしてはいませんか?
この記事では子供にどのような症状や適応で使えるか解説していきます。
建中湯では大建中湯が有名ですが、この小建中湯も小児向けの漢方としては使いやすい漢方ですので是非覚えておいてあげてください。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?
<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
疲れやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿や多尿がある。
虚弱、寒証で気血の不足状態。
具体的な病名
小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
芍薬 | シャクヤク | 6.0 g | 補血 |
桂皮 | ケイヒ | 4.0 g | 温め |
大棗 | タイソウ | 4.0 g | 健胃 |
甘草 | カンゾウ | 2.0 g | 健胃 |
生姜 | ショウキョウ | 1.0 g | 健胃 |
膠飴 | コウイ | 10.0g | 補気 |
味やにおいなどといった性状
味:甘くてわずかに辛い
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖
本品には膠飴(水あめ)と甘草が含まれているため甘さが先行します。
しかし生姜も入っているため辛みも味として出てきます。
小児向けのため漢方の中では飲みやすい部類でしょう。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。
生薬の薬能
桂枝加芍薬湯+膠飴によって小建中湯になります。
なので桂枝加芍薬湯にシロップ足して甘くしただけです。
っと言うと小建中湯の凄さが全く伝わらないので薬能をしっかり見ていきます。
<補血・補気>
小建中湯には補血作用の芍薬と補気作用の膠飴が含まれています。
これは虚弱体質に対する気血の補充に該当します。
気血はお腹を始め、各臓器を正常に働かせるうえで大切な要素です。
気血水については下記事を参照してください。
補血・補気は簡単に言うと気血を補充してお腹に力を戻すということになります。
<健胃>
甘草・大棗・生姜は健胃の薬能があります。
字の通り、胃を健やかにして腸を整えます。
お腹の調子を整える作用はこの生薬由来となるでしょう。
日頃の疲労困憊や夏バテからくる食欲不振に対して有効です。
実際どうやって使うの

小児の虚弱や夜泣きなど
小建中湯は小児に対して用いることができる漢方です。
体力がなく、弱々しい子供に対して補気・補血作用によりお腹のほうから立て直します。
小児に対しては夜泣きや夜尿症(おねしょ)にも適応があります。
これらは精神的なストレスの関与、膀胱の未発達など要因は色々あります。
総合的に元気を与えることで規則正しいリズムに身体を傾けてくれるのかもしれません。
また、用量は成人量から減量して使います。
大人の疲労困憊、慢性胃腸炎
痩せていて体力がない大人の疲労や胃腸炎に効果を発します。
お腹を整えるというよりは、疲労に対してのほうがアドバンテージがあります。
お腹を中心に考えるのであれば大建中湯が適応になってきます。
副作用

・アルドステロン症
・ミオパチ―
甘草が2.0 g / 日 以上含まれているため、甘草由来の副作用になります。
生薬の重複には注意が必要です。
詳しくは別記事で紹介していますのでそちらを。
まとめ

- 小建中湯は小児に使える漢方
- 小建中湯=桂枝加芍薬湯+膠飴
- 疲労感の強い小児やおねしょ、夜泣きにも
- 疲労困憊の大人にも
今回は大建中湯と比較された小建中湯の記事でした。
虚証の大人に対して最近疲れて食欲が出ないなーなんて人にオススメです。
特に現代社会では有用なのではないかと。
使わないにこしたことはないんですけどね!
それではでは~。