こんにちわ、りんりんです。
暑いですね~8月ですからね。
このひとつ前の記事では清暑益気湯の記事を書きました。
益気湯と聞くと有名どころは1つのみ。
補中益気湯ですね!
この記事では補中益気湯と清暑益気湯の違いがわかるように解説していきます。
これらの違いがわかると使い方も変わってくると思うので要チェックです。
構成生薬から比較

まずは構成生薬の違いを見ていきます。
根幹となる生薬の基本は補気。どちらも漢方では補剤として括られます。
共通点を除いて考えてみましょう。
補中益気湯は升麻・生姜・大棗・柴胡
升麻や柴胡は解熱作用があります。
炎症が身体に潜んでいるときに用いられる生薬です。
生姜は感冒系の漢方によく含まれる健胃生薬ですね。
大棗はバランサー役。様々な生薬の緩衝材となります。
清暑益気湯は麦門冬・黄柏・五味子
清暑益気湯の生薬は夏場に消費された身体の気血水補充がメインになります。
麦門冬、五味子は水の補充。
黄柏は清熱作用があるので火照った身体を冷やしてくれます。
適応と効能からの比較

補中益気湯はオールマイティー
補中益気湯は体力低下した虚証タイプで熱・寒どちらのタイプにも適応とし虚弱や疲労、病後術後の衰弱に効果的となります。
すなわち、何らかの疾患や侵襲によって身体の気が失われた状態=気虚による全体的な衰弱に対しての補充。
清暑益気湯は夏バテオンリー
漢方名の通り、暑さを清める清暑益気湯です。
体力低下した虚証タイプで熱を帯びたタイプを適応とします。夏バテからくる消化器症状(下痢や食欲不振)に効果的です。
注意点

冷え症
補中益気湯は熱寒のタイプを選びませんが、清暑益気湯は熱のみに適応です。
夏場に多い冷房による冷え症は身体が冷えている状態なので、清暑益気湯は適しません。
甘草の重複
補中益気湯も清暑益気湯も甘草が含まれています。
甘草の2.5g/日以上の摂取は偽アルドステロン症やミオパチーなどと言った副作用の発現率を高める原因になります。
他の漢方を服用している患者さんは注意が必要になります。
甘草の副作用については別記事を参照してください。
まとめ

今回は補剤である補中益気湯と清暑益気湯の比較をしてみました。
補中益気湯はオールマイティに使えますが清暑益気湯は夏バテ、熱感をもつ場合に特化した補剤であることが理解できたかと思います。
補剤を使う患者さんは消耗性疾患である可能性が高く、証を間違えると思った通りの補充ができなくなってしまいます。
西洋薬と比べるとサブ的な効果を期待するものかもしれませんが、少しでも効果的に使いたいものですよね。
証はしっかり見極めて補剤を使っていきましょう。
ではこのへんで~。