こんにちわ、りんりんです。
冷え性のイメージは一般的に痩せている人の手足が青白く冷たくなっている様子を想像しませんか。
実際にはこの痩せている(虚証タイプ)の人たちは冷え性の中でも一握りになります。
実は肥満体系(実証タイプ)でも冷え症はありえます。
この記事ではそんな太っている人向けの冷え性改善漢方を解説していきます。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?
<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
のぼせて便秘がち、体力がある人。
証は実証。気血のうっ滞がある。
具体的な病名
月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
桃仁 | トウニン | 5.0 g | 駆瘀血 |
桂皮 | ケイヒ | 4.0 g | 温め、理気 |
大黄 | ダイオウ | 3.0 g | 瀉下 |
甘草 | カンゾウ | 1.5 g | 緩和 |
芒硝 | ボウショウ | 0.9 g | 瀉下 |
味やにおいなどといった性状
味:わずかに甘く特異的
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖、無水ケイ酸
桂皮、甘草による甘味のほか、芒硝の塩辛さが少し後味として残るかもしれません。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。
生薬の薬能
駆瘀血剤は女性疾患へ用いられます。
当帰芍薬散が虚証タイプの女性疾患としては有名な漢方になりますが、
今回は実証タイプが主役です。
<駆瘀血>
桃核承気湯のメインとなるのが桃仁です。
桃という漢字からイメージできるように。桃の種です。
桃の節句と呼ばれるように昔から女性と関わり合いがあったようですね。
駆瘀血は血の滞りを改善する作用があります。血の流れを正常化することで、各々の症状が改善してきます。
末端の血流が良くなれば冷え性が改善。
子宮周囲の血流が良くなれば、月経不順や困難が改善します。
桃仁は桂枝茯苓丸にも含まれています。
https://phrinrin.com/pair/駆瘀血剤は女性特有の月経困難や冷え性を改善します。
<瀉下>
大黄と言えば便秘に効果大の下剤生薬です。
この漢方には瀉下生薬が2つ含まれています。
女性の便秘は男性に比べて多いと言われます。
この理由として黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響や筋肉量の少なさなどが列挙されます。
駆瘀血と同時に便秘も改善させてしまうのが桃核承気湯なのです。
実際どうやって使うの

実際の疾患と使い方を見ていきましょう。
月経困難・冷え性
駆瘀血剤による血流改善が第一の目的になります。
注意点は1つ。
証の読み間違えです。
桃核承気湯の証は実証。
これだけは間違えてはいけません。
使える時期は月経中の他、月経前後、産後に用いられます。
ただし、妊娠中は避けるほうが良いでしょう。桃仁には子宮収縮作用があるためです。
便秘
ホルモンバランス由来の便秘、女性特有の便秘に使用できます。
大黄が主に効いてくれますが、妊娠中は避けましょう。
子宮収縮作用・流産の危険性があります。
副作用

・甘草の重複
・胃腸虚弱
・体力低下中の人
まとめ

- 桃核承気湯の証は実証タイプ
- 駆瘀血剤
- 妊娠中は使用を避ける
- 胃腸が弱い人も避ける
多くの女性が何らかの症状として瘀血があると考えられます。
しかし現代社会において軽い症状だけでは病院へ行くのも億劫になるのもやむを得ません。
漢方がセルフメディケーションの一助になればよいのですが。
ではでは~。