こんにちわ、りんりんです。
加味逍遙散は女性の精神症状に対して使われる漢方です。
この記事では加味逍遙散を紐解いて、うつ症状の改善となる根拠や注意点を解説していきます。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?

<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
疲労しやすくイライラや不眠などの精神症状。
虚弱な婦人で気血水の停滞がある。
具体的な病名
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
柴胡 | サイコ | 3.0 g | 疏肝・清熱 |
芍薬 | シャクヤク | 3.0 g | 疏肝・清熱・補血 |
蒼朮 | ソウジュツ | 3.0 g | 健胃 |
当帰 | トウキ | 3.0 g | 補血 |
茯苓 | ブクリョウ | 3.0 g | 健胃・安神 |
山梔子 | サンシシ | 2.0 g | 健胃・安神 |
牡丹皮 | ボタンピ | 2.0 g | 駆瘀血 |
甘草 | カンゾウ | 1.5 g | 健胃 |
生姜 | ショウキョウ | 1.0 g | 健胃 |
薄荷 | ハッカ | 1.0 g | 疏肝・清熱 |
味やにおいなどといった性状
味:わずかに苦い
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖
健胃の生薬が多く構成されています。苦味は主に健胃からきますが、甘みの甘草や辛味の生姜、爽やかな薄荷が入っているお陰でうまくバランスが取られています。
においは生薬特有のものです。
漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。
お子様も注意が必要です。
生薬の薬能
今回のメインはイライラやうつ症状といった精神疾患です。
<気逆・気鬱>
気は生命活動に必須となる漢方医学における3大要素の1つです。
精神症状の原因としては
・気の動きが悪くなって逆流している状態=気逆
・気の巡りが悪くなって停滞している状態=気鬱
気の異常が考えられます。
これら気の異常は柴胡と芍薬による疏肝が効果を発揮します。
疏肝は肝による気の異常を改善し、全身の気血の巡りを良くします。
疏肝に関してはこちらの記事に詳細があります。
https://phrinrin.com/saikokaryukotsuboreito/実際どうやって使うの

この項目では実際に漢方をどんな症状に使っていくか見ていきます。
不定愁訴
不定愁訴とは漠然とした体調不良であり、様々な症状が出るが医学的に根本的な原因がよくわからずピンポイントでの治療が難しい疾患です。
特に更年期障害や血の道症に見られるものです。
「よくわからない〇〇」という場合は漢方が非常に良く効くことがあります。
良くわからない胃腸障害などなど
更年期を迎えて、なんかわからないけど「イライラする」や全くやる気が出なくて「抑うつっぽい」と言った精神症状にはこの加味逍遙散が効果を発揮します。
副作用

まとめ

この記事では女性のイライラ(不定愁訴)に対して使える漢方:加味逍遙散について解説してみました。
女性には月経や妊娠・出産・更年期といった身体が急激に変化する時期が必ずあります。
そのような際に精神的に参ってしまい、身体的にも症状が出てしまうと生活に大きな支障をきたしてしまうでしょう。
にも拘わらず根治できる治療薬がないなんて、聞いてしまったら尚のこと辛くなりますよね。
そんな時に漢方でうまくコントロールできれば幸いです。
「よくわからない〇〇に」漢方は効くことがあります。
ではでは。