こんにちわ、りんりんです。
防已黄耆湯は3大ダイエット漢方薬として販売されていますが、
その本質を見誤ってはいけません。
ダイエットというと簡単に脂肪が落ちるというイメージですが、
全く異なる作用になります。
この記事を参考にして本当に必要な漢方なのか確かめていきましょう。
まずは適応です。
どんな症状に使えるでしょうか?

<適応>添付文書を少し簡略化しました。
症状
色白で全身の倦怠感や汗が多い傾向。
体力低下した水太り体質の人。水の停滞がある。
具体的な病名
腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
黄耆 | オウギ | 5.0 g | 固表・補気 |
防已 | ボウイ | 5.0 g | 利水・止痛 |
蒼朮 | ソウジュツ | 3.0 g | 利水・止痛・補気 |
大棗 | タイソウ | 3.0 g | 健胃 |
甘草 | カンゾウ | 1.5 g | 健胃 |
生姜 | ショウキョウ | 1.0 g | 健胃 |
味やにおいなどといった性状
味:甘い
におい:漢方特有のにおい
添加物:無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、乳糖
大棗・甘草のお陰で甘味の仕上がりになっています。
飲みやすいですね。
においは生薬特有のものです。
漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。
お子様も注意が必要です。
生薬の薬能
防已黄耆湯のメイン効能は水の分布調整です。
決して「体脂肪を減らす」ではありません。
<利水>
蒼朮・防已は水の代謝が悪くなって身体全体が水分過多の状態を改善してくれます。
またタケダの漢方は基本蒼朮が使われます。
蒼朮は発汗・白朮は止汗作用があります。
今回の防已黄耆湯の場合は、多汗の水太り症状に使われるため蒼朮より白朮のほうがより効果的と考えます。
クラシエやコタローは白朮が使われていますので、より効果的に水分代謝を図るのであればそちらを推奨します。

実際どうやって使うの

この項目では実際に漢方をどんな症状に使っていくか見ていきます。
多汗症
止汗作用のある生薬がメインとなっています。
そのため汗のコントロールを付けて、水の代謝を良くします。
多汗は緊張などによる心因性の場合もあるので、原因を見極めることが重要です。
普段から汗っかきで、水太り体質でお悩みの方は試す価値があります。
肥満症
防已黄耆湯は適応として肥満症が入っています。
肥満症と聞くと一般的には内脂肪が多くメタボ体型を想像するでしょう。
しかし防已黄耆湯の狙いは虚証で水太りの方です。
つまり実証と勘違いされがちな太った方。
証の鑑別が単純ではないので注意が必要です。
関節リウマチ
防已・蒼朮は止痛作用のある生薬です。
関節に滞った水分の排泄+痛み止めの効果から関節リウマチの適応があります。
副作用

・偽アルドステロン症:甘草の重複に注意
・低K血症:こちらの記事に詳細ありますので是非
・肝機能障害
・間質性肺炎
まとめ

今回は防已黄耆湯について解説しました。
3大肥満症漢方の1つですが、一番肥満症との鑑別が難しい。
セルフメディケーションで使うには少々難があると感じます。
ポイントは多汗・水太り・色白
ではでは。