おなかへの漢方

茵蔯蒿湯「インチンコウトウ」は胆汁を流して黄疸を改善してくれる漢方です。

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こんにちわ、りんりんです。
今回は漢方の中でも唯一といってもいいでしょう。
黄疸に適応がある茵蔯蒿湯のお話です。
読み方は「いんちんこうとう」難読漢方ですね!

まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?

<適応>添付文書を少し簡略化しました。

症状

オシッコの量が減り、便秘がち、体力がある人。
証は実証水の停滞がある状態。

具体的な病名

黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎

構成生薬を紐解いてみます。

生薬名読み組成量薬能
茵蔯蒿インチンコウ4.0 g清熱・利胆
山梔子サンシシ3.0 g清熱・利胆
大黄ダイオウ1.0 g瀉下
ツムラ茵蔯蒿湯 7.5 g中

味やにおいなどといった性状

味:わずかに渋い
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖

大黄の渋みが後味をひきます。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。

生薬の薬能

今回のメインは黄疸です。
日常生活ではあまり聞きなれないかもしれません。

黄疸とは

ビリルビンと呼ばれる赤血球の元が、肝臓や胆汁排泄の機能が落ちたことで血中にあふれ出てしまい皮膚や目の色が黄染(黄色く染まる)してしまうこと。

りんりん

つまり黄疸を改善するには肝機能や胆汁排泄を元に戻してあげれば良い!

<清熱・利胆>
茵蔯蒿と山梔子には利胆作用があります。
胆汁の分泌や排泄を促進する作用を利胆と言います。
胆汁の排泄がうまく回らないとビリルビンが排泄の行き場をなくして血中へ出ることになります。血中に乗ったビリルビンは全身を駆け巡ることになり、全身が黄色くなる仕組みです。

胆汁の排泄がうまくいかないと、肝臓にも負担がかかります。
肝臓は胆汁を生成する場所だからです。
そのため黄疸が起きると肝機能障害も起こります。

肝機能を改善しても胆汁排泄に問題があれば、そちらを改善しないと黄疸は治りません。
一方通行の事故渋滞は事故現場を処理しなければ一生通行できませんからね!

利胆作用は肝機能を直接改善するのではなく、胆汁排泄量を増やすことがポイントです。

<瀉下>
大黄と言えば便秘に効果大の下剤生薬ですよね。
でも一つ疑問に思いませんか?

「黄疸なのに便秘するの?」

前項でビリルビンの排泄が落ちて黄疸になる
それは胆汁の排泄がうまく回っていないと書きました。

この胆汁が便秘と関係してきます。
胆汁には大腸の蠕動作用と水分分泌作用があります。

そのため胆汁が滞ると便秘が起きる可能性が高くなり、瀉下効果のある大黄も茵蔯蒿湯には含まれているんですね!

実際どうやって使うの

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黄疸

利胆作用のある茵蔯蒿+山梔子が胆汁排泄を促して黄疸を改善させます。
また、瀉下作用の大黄で黄疸由来の便秘をサポートしてくれます。

術後

肝臓・胆のう系手術の後に漢方が使われることがあります。
術後の黄疸予防が主な使う理由です。
茵蔯蒿湯で弱った胆汁排泄能をサポートするためにも、薬はしっかり飲みましょう。

副作用

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注意

腸間膜静脈硬化症
山梔子を5年以上の長期投与する場合は注意。

まとめ

まとめ
  • 茵蔯蒿湯は利胆作用がメイン
  • 大黄が便秘のサポートを
  • 術後にも使える

茵蔯蒿湯は漢方の中では黄疸に直接的な適応がある珍しい部類です。
日々の生活で少し皮膚が黄色くなってきたり、痒みが出始めたら要注意です。
では今回はこのへんで~!