病院薬剤師

病院薬剤師になりたい人へ送る7つの極意

こんにちは、りんりんです。
病院薬剤師は昔はとても人気があり、狭き門でした。
ですが、現代では仕事量の割に給料が低く、募集をかけても欠員補充ができない病院が一定数出てきてしまっているのです。

それでも病院に行きたいけど、迷っている人の背中を押せればと思います。
あなたは何に迷っていますか?

・病院薬剤師になりたいけど、何やっているかわからない
・良い病院には入りたいけど、悪い病院には入りたくない
・入職する前に知っておきたいつまづき
・具体的にどうやって就職or転職するのか
・病院見学は行くべきか
・入職試験は難しいのか
・入職してからは・・・

上記は僕が転職時に迷った項目で、誰か先輩に聞こうにも辞めることを悟られたくなく、聞けない環境でした。

転職考える人

辞める職場で辞めるためのアドバイスはもらえません!

現役病院薬剤師が病院薬剤師になる前〜なった後までの軌跡を濃縮してお伝えします。

この記事でわかること

・実際の病院薬剤師が経験すること
・入職してから気づくこと
・病院転職の実際
・面接採用者の考えること

病院薬剤師の仕事

何を目的に病院薬剤師になりたいと考えましたか?
実習先の指導薬剤師がかっこよかった?美人で毎日楽しかった?
でもそれは学生目線で表面上のものでしかありません。
実際に内部で働いてみないとわからないことはたくさんあります。
雑務だったり後輩教育だったり。

どんな仕事があるのか

僕は急性期の総合病院でしか働いたことがないので、それを前提として書いていきます。

調剤業務

薬剤師の基本業務でセントラル部門と呼ばれます。
これが出来て初めて夜勤もできるようになるので、一人前として数えられます。
一人前は一人前でも経験年数で業務効率や知識は全く変わります。

内服・注射の調剤知識は病棟や外来で必要な知識となります。
他医療者は薬剤師の専門知識を求めて質問をしてきます。

院内製剤

製薬メーカーが販売していないけど臨床的に需要があるものを調製します。
鼻出血用のボスミンガーゼや、手術で使うマーカー色素など。
無菌調製が必要な製剤もあるので薬剤師2人でダブルチェックしながら行います。
院内製剤は年々、製薬メーカーから販売されていたり需要がなくなってきたりと縮小傾向にあります。
院内製剤のみを調製して業務終了という施設は世の中にないでしょう。
だいたいが兼務で空いた時間に院内製剤を調製するといった具合です。

ケモ

病院内では人気or不人気と極端な部署です。
これをやりたくて、がん専門薬剤師を目指して病院の門戸を叩く人もいるでしょう。
しかし実際はかなりの激務です。
薬剤部の中でもトップレベルの残業率です。
忙しい部署にも関わらず薬剤師数が少ない上に、パワハラ体質の人が多いのがリアル。
いわゆる怖い薬剤師が多いのです。

抗がん剤というハイリスクな薬を扱う以上、普段よりピリピリするのは仕方ないことでしょうか?
僕は違うと思います、そういう現場であれば尚の事、平常心かつ機嫌よく仕事をこなしていくべきです。
余裕がない姿勢は誰も得しません。

ケモ室では外来・入院ケモ薬の調製、レジメンのチェックや管理など。
文字にすると1行ですが、時間にすると忙殺の極みです。

病棟業務

病院の花形であり、近年薬剤師にスポットが当たる要因にもなりました。
薬剤師初のドラマ:アンサングシンデレラもこの病棟業務が主になります。
病棟では患者さんへの服薬指導や持参薬鑑別のほか、看護師や医師からの相談応需もあります。
また医局カンファレンスや回診もあります。看護師や医師と一緒に回診に同行し患者さんの副作用や薬の効果を把握する。
その場で治療方針を医師と検討するなんてこともあります。

一般病棟では50人近く患者さんがいるので毎日、患者さんに会いに行くのは難しいです。
でも週1回でも長期入院している患者さんは覚えています。
そして治療による臨床症状の変化を肌で感じることができるのが病院です。

麻薬業務

院内の注射・内服麻薬の大部分は薬剤部の金庫で保管します。
例外としてOPE室やクリティカル部門では限られた数量を在庫しています。

麻薬は内服も注射も1つでも紛失したら大問題になります。
記者会見レベルです。
ゆえに厳しい管理体制が敷かれています。
絶対に無下に扱ってはいけない薬なのです。

また調剤する際は必ず、その患者さんに対して適切な量・投与法であるかを確認します。
特に注射薬は内服と違ってすぐに効果が出るのでより注意深く調剤しないといけません。

麻薬は適切に

入職したときに麻薬だけは絶対に間違ってはいけないと言われました!

薬剤師外来

術前面談や外来処方の服薬指導など、近年薬剤師が進出している領域です。
原則1人でさばいていくので効率化が求められます。
術前休薬は施設によってマニュアルがありますのでそちらを確実に参照しましょう。
最悪手術が延期になってしまい、患者さんの時間を奪ってしまうし、病院経営にも影響が出てしまいます。
外来での服薬指導は病棟のそれとは別になります。
限られた時間でパパッとこなしていきます。
見落とせない副作用や検査値は必ず電子カルテでチェックします。

チーム医療

病院には様々なチームがあります。
主要なものとしては

・感染
・栄養
・褥瘡
・緩和
・呼吸器
・糖尿病
・嚥下
・災害

自分がやりたい分野のチームがあれば、そちらを目指していくのが良いでしょう。
ただし既存のチームには薬剤師が選出されています。同じチームに薬剤師が偏るのは良しとされていません。
必ずしも自分がやりたいことができるわけではないので覚えておきましょう。

委員会

病院内の共通なルールや多職種で検討が必要な際にあるのが委員会です。

環境整備する人

学校にも美化委員会とかありましたよね!

薬剤師が一番関与してくるのが薬事委員会です。
院内における薬剤の採用や削除品目の取り決めなど、各医局の代表医師と相談する場です。
薬剤部長が原則委員長です。DI室が事務局をやっていることが多いでしょう。

そのほかにも薬剤師は薬が絡む内容ではなくても該当の委員会に属することがあります。
それは医療倫理という観点から第三者意見が求められるからです。
委員会の活動も薬剤師は大抵1人です。
発言や情報共有には細心の注意を払いましょう。

治験

院内における治験業務の事務局を担います。
治験は病院経営が潤うので症例が多い大学病院では確実に行われます。
薬剤部では治験薬の調製。治験事務局では治験患者の選定や契約などをCROと一緒に行います。

夜勤

昔は24時間勤務がありましたが、今の時代では夕方からの勤務がスタンダードです。
夕方から勤務し日勤の人達から送り事項を聞いてから夜勤スタートです。
夕方は病棟も交代時間なので病院全体がザワザワと忙しい時間帯になります。
日中にOPEが終わっていればよいのですが、夜までもつれ込む大きな手術だと大変です。
術後に医師が病棟へ来て、忘れられた指示や処方を出していくからです。
そしてその処方を1人で調剤していくのです。
1000床クラスの大病院だと処方量が多いので2人体制のところもあります。
中小では原則1人です。

夜勤は救急外来に重症な患者さんが運ばれてくることもあります。
珍しい薬や高価な薬を自分の判断で確認し調剤します。
限定薬は翌朝まで待てれば良いですが、緊急で使いたい場合は自分で判断しないといけません。
また連休中では院内在庫が枯渇することもあります。自ら緊急発注をする必要もあります。
普段やらない業務を自分1人の責任で行うのが夜勤です。

PHSが鳴らなければ仮眠は取れます。
多くても2−3時間でしょう。

眠い・・・

10年夜勤をやっていますが、長くても3時間の仮眠です。

薬局との違い

実際薬局で働いたことがなく実習のみ&薬局勤めの友達からの情報で異なる点もあるかもしれませんご容赦ください。

広く職能を活かす

扱う薬品種類が圧倒的に病院のほうが多いです。
決定的なのは注射薬。
在宅医療ではTPNや麻薬ポンプがありますが加算が取れるものが決まっています。
病院では注射抗菌薬は必須、注射抗がん剤は必須になります。
それらを毎日触って勉強できるか否かでかなり知識の幅が変わってきます。

情報過多

紙でも電子でもカルテがあれば患者情報が全てわかります。
検査値や既往歴、家族構成などのプライバシー要素も全て。
この中から薬学的に必要な情報をうまく吸い取って活かさないといけません。
情報の使い方も薬剤師の腕の見せどころです。
また不足していたら医師や看護師やソーシャルワーカーなどに情報収集のお願いをすることもあります。

多職種連携

病院内には様々な職種の人が勤務しています。
薬局ではMEさんや放射線技師とはまず話さないでしょう。
色々な職種の人と話すと多彩な医療知識が蓄えられます。点と点である医療知識が将来的には一つの線で繋がります。
書籍から知識を得ることもできますが、実際にその道のスペシャリストに相談して聞いたほうが圧倒的に理解は捗ります。

病院薬剤師の人脈を作る理由と広げ方を丁寧に解説! こんにちは、りんりんです。唐突ですが質問です!あなたは職場や家族以外の人付き合いがありますか?今回の記事は少し実務とは離れた話題になり...

夜勤

24時間調剤を行っている薬局もありますが、少数派でしょう。
急性期のある程度の規模であれば病院は夜勤があります。
月2−3回と頻度はそこまで多くはありません。
前項でも書きましたが、原則1人薬剤師なので責任が重く感じられます。

研究も忘れてはいけない

研究をしたからと言ってボーナスが出るわけでは有りません。
しかし、研究報告は医療の発展に寄貢献できますし、一定水準の薬剤部は研究もしっかり行っています。
薬剤師は医療者であると同時に化学者でもありますので。

また研究ネタも見つけやすい上に医師が直ぐ側にいるのであわよくば共同研究者にもなってもらえます。

多職種とのコミュニケーション

良いコミュニケーションは良い医療を生みます。
自分の知らない医療手技や医療機器、リハビリなどなど。薬以外の領域が医療にはたくさんあります。患者さんを治療する上でそれらは複雑に混ざり合っているのです。
書籍よりは実際に人と話しディスカッションすることで自分が成長していきます。

学生教育

薬局・病院実習は6年制薬学部で必修です。
学生への指導も仕事の1つになります。
できればこの実習を機に薬学生に病院の素晴らしさを伝えて病院薬剤師が増えることを願うばかりです。
僕は学生指導するときに、他職種といつも以上に連携を取るようにしています。
またERやOPEなどYoutubeや書籍では見られない貴重なリアル体験を通して実習を強烈なインパクトになるように(人生が変わるレベルで)指導しています。

実習を通して自分の進路を決める学生も多いです。
人の人生に影響が生じるほどです、それゆえに指導者も真剣に取り組まなければいけません。

大学病院ってどうなの?

最先端かつ高度な医療や臨床研究と医療の発展に貢献するのが大学附属の病院です。
大学直属なので医師の質も高いし常勤が原則です。
週1で外勤に行くパターンが多いです。
看護師も付属の学校があればそこから上がってきます。年齢層はかなり若いため、
出会いにも大いなる期待が持てます。

薬剤師は?というと、
私大・国公立にせよかなり狭き門で、試験も難しいのが実情です。
そして何よりもブラック率が高いのが特徴です。
大学病院へ就職したい人はそれを前提に来ますが、結局はきつくて辞めていくのです。

また認定資格は症例も多いため取りやすいです。
レベルの高い指導者が在籍していることも多く、高度な研究を教えてもらうことができます。

病院薬剤師への就職を目指す

病院薬剤師を目指す理由は人それぞれです。
自分が将来的にどんなモデル薬剤師を目指すか。
仕事はお金をもらうためにするものです。
しかしお金のために嫌なことをするのか?
お金ももらえて、自分がワクワクするスキなことを仕事として取り組むか?
であれば後者のほうが圧倒的にQOLが良いのは誰もがわかるでしょう。

正職員

今も昔も正職員への就職は欠員補充です。
一時期、病棟業務加算が新たに新設されたときに、病棟に各1人薬剤師が必要となったため、採用枠が突然増えたことがありました。
しかし現在では解消され、また昔と同様に戻りました。
病院薬剤師に就職するのはハードルが高いのです。

ここまでの話は首都圏かつ急性期医療の病院です。
地方の病院は医師同様に人手不足が深刻化しています。
地方永住を考えているのであれば、首都圏よりは高給の地方病院も視野に入れても良いでしょう。

レジデント

近年増えてきたのがこのレジデント(レジ)制度
表面上は1-2年の研修期間で薬剤師の全集的なノウハウを取得できて給料も出るし、レジ終了後の就職先までも斡旋するよという親切制度です。

しかし病院側としては正職員より低賃金で、正職員と同等の業務をこなすという募集要項とはだいぶ乖離した現実が待っています。
もちろん全ての病院がそんなわけではないし、しっかり研修カリキュラムが組まれていて研究発表も学会で必ず行う病院もあります。

特に以前からレジ制度を取り入れている国公立の大病院はしっかりしています。
教育係の担当薬剤師が設置されていてレジのメンタル含めてサポート体制が敷かれているのが理想です。オススメそういった有名大病院です。

働きたい病院がレジ上がりじゃないと就職できない病院であれば仕方有りません。
でもそれ以外で給料もらいつつ研修もなんとなく出来たらいいな〜という考えであれば、
正職員で募集しているところを推奨します。

紹介

部長ー部長の紹介や、部長ー大学教授の紹介というのは意外と多いのです。
全く素性の知らない赤の他人を面談して見極めて入職してもらうよりかは、信頼性が高い知人に紹介してもらったほうが安心安全ですよね。
大学側からしたら就職実績も付けるしwin-winなのです。

紹介の場合は余程ひどい人材なければ就職試験は消化試合のようなものです。

大学経由

大学教授と薬剤部長が知り合いではなくても、病院の就職相談で求人があります。
大学に近くの病院は昔からパイプ(実習など通じて)があるので大学へ求人を出します。
大学側にも昔からの付き合いであれば就職試験の過去問や面接資料など多くのアイテムが残っているはずです。
これらがあるだけで、大きなアドバンテージになります。

病院転職の極意

新卒とは別パターンになります。
僕は病院→病院の転職を経験しました。
最終的には紹介にて転職が決まったのですが、これは円満退職だったからということもあります。
転職エージェントを使用する際には病院の運営種類は選べません。
どういう意味かというと大学病院はほぼ求人がないということです。
高度医療を学びたいけどブラックすぎる環境についていけなくなった僕は必死に求人アプリを毎日見ていましたが、病院の求人がそもそも少ない上に、大学病院がヒットすることはなかったからです。

失敗しない病院の選び方 就職は定年退職するまで自分の人生の多くを捧げることになります。その病院に自分の時間を費やす価値があるのか。自分で判断し入職を決意しなけ...

紹介

新卒の紹介項でも出ました。
こちらの方法が最も成功率が高いと言えるでしょう。
しかし中途だと知人の紹介というのが割と使いにくいです。
大学を出てから数年経過しているので担当教官はもしかしたら退職しているかもしれません。
円満退職であれば部長経由で紹介してくれるかもしれませんが、それも部長の人柄によります。退職にネガティブな要素があれば部長は動いてくれないでしょう。

紹介にはありとあらゆる人脈を探してください。

・卒業学校の教官
・部長の知り合い
・勉強会などで知り合った人
・医師や看護師の知り合い
・元実習先の指導薬剤師
・SNS

転職エージェント

転職エージェントは1つに絞るのが良いです。
毎日来る情報の波に押しつぶされてしまいます。
特に現職場を辞めていない場合は転職活動も両立しなくてはいけないのです。

基本的な転職の流れはどこも同じです。

①求人票が送られるor探す
②担当エージェントと面接(条件の確認)
③就職試験を受ける
④転職

大手であればあるほど、手厚いサポートが受けられます。
履歴書や面接対策など。

マイナビ

業界最大手です。
求人数も多いし、手厚いサポートが受けられます。
2022/8/12時点における病院クリニックオープン求人数は約3000件です。
そして1箇所だけ大学病院も求人がありました。
しかし地方です・・・

ファルマスタッフ

メディカルリソースが運営する転職エージェントです。
高給な求人が多いイメージです。
2022/8/12時点における病院クリニックオープン求人数は約3000件です。
マイナビとほぼ同じでした。
こちらは大学病院での求人が3件と病院にやや強めの印象です。

薬キャリAGENT

情報サイトm3運営の転職エージェントです。
2022/8/12時点における病院オープン求人数は約3000件です。
クリニックが入っていないのが↑2つの会社との違いです。
大学病院に限定しての検索はできませんでした。

初めての転職には苦労が付き物!解決方法4選を伝授! こんにちは、りんりんです。この記事は病院へ転職を考えている薬剤師さん向けに書いたものになります。転職には不安が付き物です。それは人生に...

上手な退職方法

できることなら元職場がブラックであろうが、パワハラ先輩がいようが円満に退職するのがベストです。
今後も病院薬剤師を続けるのであれば、必ず鉢合わせることが訪れるからです。
この業界はそれほど狭いのです。

辞める前の準備

まずは部長に退職宣言しましょう。
退職の時期や有給取得など交渉することはたくさんあります。
全てが上手く受け入れてもらえるわけではないので、お互いに妥協して着地点を決めましょう。
辞めるまでの期間が決まったら、下準備をしていきます。
自分が今受け持っている仕事の整理して引き継ぐ人を決めましょう。
仕事を引き継ぐ人とも交渉が必要です。
その人の仕事が増えるわけですから、容易に受け取ってくれるかはわかりません。

また僕が転職して少し後悔したのは、部内のみで使用していた資料を保存していなかったことです。

オリジナルの配合変化表や施設で定めた休薬基準などはデータで保存しましょう。
真面目に考えて、いただかないのは勿体ないです。
違う施設での見解をみすみす捨ててしまうことになります。
紙媒体でも良いので、いただける資料は保存しましょう。
わざわざ貰いますなんて言わないで大丈夫です。

最後には関係各所への挨拶や餞別の品は忘れずに。
お世話になった医師や病棟など。
何も言わずにいつの間に辞めるのは社会人として失格です。

実際の辞め方

退職宣言は時期に余裕を持ちましょう。
実際の退職日より3−6ヶ月前が一般的です。

離職率が高い職場はもともと欠員している場合もあり、退職相談したら引き止められる可能性があります。
ここで親切心から退職日を延期したり思いとどまる必要はありません。
ここで決意が揺らいでしまうのは、本気さが見えなくなります。
いつまでたっても変わらずダラダラ退職することができなくなるので注意です。

病院薬剤師を辞める前に考えること、目指せ円満退社!! こんにちは、りんりんです。病院薬剤師を辞めたいと思ったことがありますか?1度もありませんという人は相当恵まれています。そして天職なので...

大学病院に転職するには?

転職エージェント経由はほぼありませんので、紹介かweb掲載の求人かになります。
紹介であれば、話は早いです。
web求人の場合は赤の他人状態での試験なので、自己アピールが大切です。
中途採用への目はかなり厳しいと思ってください。
即戦力を考えての採用なので、少なくとも1つは認定資格を持っておきたいところ、
もしくは論文や研究報告など公にできる成果物があると良いでしょう。

いずれにせよ、高度医療を追求する現場になるため生半端な覚悟では通用しません。

病院見学の極意

紹介や転職エージェントからの資料で目星をつけた病院へいざ見学です。
見学にもお作法がありますので確認していきましょう。
見学は試験ではありませんが実際、部長・採用担当者は見ています。
この時点で試験は始まっていると思ってください。

見学前に考えること

入念な下準備をするか否かで見学の質は大きく変わります。

情報収集

病院のホームページから情報収集は鉄則です。
情報更新されていない場合は仕方ありませんが、最新の動向を探っておけば話のネタにもなります。
ブログやYoutube投稿している薬剤部だと話も合わせやすいですね。
見学される側も自のことをよく知っていたら入職意欲が高いと思えます。

身だしなみ

男性なら髪や肌の他スーツに革靴と頭の先から足先までしっかり整えましょう。
詳細は別記事を参考にしてください。
最近はマスクをしているので油断しがちですが、飲み物を頂いたときなど外す時もあります。マスクの下もしっかりヒゲを剃り綺麗にしておきましょう。
女性はお化粧があるので顔周囲は大丈夫かと思いますが、意外と靴が汚れていたりすることがありますので念入りに磨いておきましょう。
足元は結構見ていますよ。

聞くことリストは用意しておく

自分が妥協できないことや、部の方針など聞いておきたいことは必ずリストアップしておきましょう。
共通のリストが作成できれば、ほかの病院との比較にもなります。

見学時のポイント

見学態度には最新の注意を払ってください。

挨拶は大事です。

聞こえないくらい小さい声は挨拶をしていないのと同じです。
ハッキリ聞こえる声で挨拶しましょう。もしも忙しそうで声をかけにくかったら会釈で。
現場に入る時は「失礼します」、何か業務内容などを教えてもらったときは「ありがとうございました」もう社会人としてはごく一般的なことですが。
これをできない人が意外といるので残念な世の中です。

実際の現場で見るべきこと

1日の大半を病院で過ごします。居心地の悪い環境に数十年も身を置きたくないですよね。

・清掃は行き届いているか?
・ゴミの分別ができているか?
・整理整頓ができているか?
・調剤棚や調剤機器は綺麗か?
・電子カルテなどのシステムは?
・休憩スペースやロッカーがあるか?

若手薬剤師も見ておきましょう。

今いる上司によって育てられた薬剤師です。
将来のモデル薬剤師がたいしたことなさそうであれば、成長は期待できません。
明るく楽しそうであれば満足いく職場なのかもしれません。
顔色をよく観察しておきましょう。

どんな人材が不足しているか?

需要に対して答えられれば、その病院はあなたを欲しくてたまらなくなるでしょう。
場合によってはその需要に合わせて化ける必要もあります。
どこの部門で人が少ないのか現場の薬剤師に必ず聞いてください。
部長ではなく、現場の薬剤師です。
部長は現場で働いていることが少なく現場把握はできません。

見学後

見学行ったら終わりではありません。
貴重な就活時間を使っているわけですから、今後就職を視野に入れるか否かを自分の中でしっかり見極めましょう。
自分の聞きたいリストを見直して、良かった点や悪かった点の総復習です。

見学先へのお礼も忘れずに、部長あてに手紙が良いでしょう。
メールでも良いですが及第点です。ベストは手紙。
手紙は面倒だし、字も汚いからと言って敬遠しがちですが
本当にそこの職場に入りたければ誰もが面倒でやらないことをやりましょう。
もしも就職試験で同一点数のライバルがいたら採用陣は何を考えると思いますか?

見学時の所作や服装など、点数以外のところを見て判断します。

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病院就職試験の極意

見学も終わりあとは就職試験です。
倍率が高い病院ではいかに印象を残すかが勝負です。
採用目線で言えば、筆記は大差がつかないので面接を重視しています。

履歴書でアピール

面接官がチェックする前情報になります。
履歴書から滲み出る情報はあなたの潜在的な人間性です。

字が汚くて読みにくい
→相手のことを考えていない
字は整っていないが下書きをしたり何回も書き直している
→誠実さ
字が綺麗
→手に取り読みやすい

志望動機や内容は?
ありがちなのが、救急で有名な病院で救急がやりたいから志望しました!
動機が明確なので良いのですが、表面上しか見てないのかなと判断されます。
具体的には見学時に得た情報(部内の人に聞かないとわからないようなこと)を元に志望動機を色づけるべきです。

がん化学療法を得意としている貴院では外来指導に今後力を入れると見学時に伺いました。私もその一員となり外来指導に関与していきたいです。

面接は人間性を見ている

面接では実際に一緒に働く側として協調性や人間性を用心深く見ます。
受験者としては緊張のせいで上手く話すことができないかもしれません。

受け答えの内容にこだわりすぎて、所作が疎かにならないようにしてください。
挨拶を忘れず。
・元気よくハキハキ面接官の目をみて話す。
わからない、答えがでなければ時間をもらう。

筆記試験対策

あまり差が出ないのが筆記試験です。
なので参考までにしか見ていません。もちろん圧倒的に平均点を下回れば不合格対象になりますが、逆に100点取ったから絶対合格とはなりません。

小論文対策

こちらも参考程度です。
絶対に避けたいのは、時間内に書き終わらないことです。
途中で終わってしまうと結局何を言いたいのかわからなくなってしまうからです。
また時間にルーズな印象も持ちます。
指定された文字数と時間内には必ず終えましょう。

試験後のお礼

見学時と同様に、多忙な業務時間を割いての試験です。
こちらも手紙でのお礼が最良でしょう。

採用目線から見る病院就職で合格する秘訣 こんにちは、りんりんです。病院薬剤師への就職は情報収集から始まり、履歴書を書いて試験を受けます。この就職試験が中々難しいのが現実です。...

病院薬剤師の悩み

実際に病院薬剤師になって働いてから出てくる悩みたちです。
就職する前に読んでおけば、職場選定の基準になります。
就職してから読んだら共感できるところがあるかもしれません。
下記などの悩みがない完璧な職場というのはありません!
どこで自分が妥協できるかが大事です。

ハラスメント地獄

ハラスメントの2大巨頭がパワハラ・セクハラです。

パワハラはお局系の女性薬剤師や昭和気質の男性薬剤師など様々です。
自分の精神衛生上、非常に悪い点と仕事がスムーズに進まなくなります。
明らかに理不尽な扱いや捌ききれない仕事量などで嫌がらせを受けます。

セクハラは主に役職レベルの男性→女性薬剤師のパターンが多いです。
若手で断れないことを良いことにセクハラしてきます。
部内だけでなく部外にも注意が必要です。
特に医師は病院内の最上級ヒエラルキーに君臨することから、気弱そうで断れない薬剤師や看護師に手を出してきます。
外科や救急など肉食系の医師が多い科は特に注意が必要です。
また部外の出来事だと本人からの申告がない限り薬剤師上司も気が付きにくいのが難点です。
しつこい食事の勧誘や夜勤帯の過度な訪問は先輩に必ず相談しましょう。

男薬剤師

手のひらで転がして奢られまくっている後輩もいました笑

超絶ブラックな環境

仕事量が多すぎて、毎日残業だらけ。
夜勤明けも簡単には帰してくれないなど。
病院にありがちな職場環境です。特に病院薬剤師の職域は広がりつつあります。
病棟業務という臨床的な仕事が増えたため、看護師や医師からもタスクシフトが要求されて
います。

自分の能力に見合った仕事量を捌いていますか?

平日に仕事が終わらずに休日を使ってまで仕事をしていたら赤色信号です。
仕事=趣味であれば問題ありません。中にはそのような人も存在します。
稀有ですが・・・

でも大多数の人は休日を自分のやりたいことに使う時間としています。

給料が低い

薬局薬剤師と比較すると差は歴然としています。
初任給の時点で月給10万以上の差がついています。

最終的に年収1000万円に近づく確率は薬局と病院ではどちらが高いでしょうか?
答えは簡単、薬局です。

ただし薬局でもずっと平社員では年収の増加は見込めません。
管理薬剤師を経て、エリアマネージャーや経営本部に近づかなれけばいけません。
管理部門に入れば年収は大幅増加するでしょう。

一方病院はどうでしょうか?
薬剤部長クラスになればどうにか1000万円の年収を得ることができます。
しかしその椅子は1つのみ!
もちろん薬剤部内から選出する可能性が高いので倍率は低いですが、1つです。
そして給与以上の責任を背負うことになります。
医療安全・麻薬管理・部内の統括などなど。割に合いません。

勉強ができない

業務が多すぎて平日は帰ったら寝るだけ。
休日も仕事の資料作りでまともに本を読む時間もない。
これでは薬剤師としても人間としても成長できません。

平日であればスキマ時間を上手く使うと時間を捻出することができます。
通勤時間や朝活など。ほんの30分でも1週間積み重なれば3.5時間も使えます。
自分の時間を作り、医学書や一般書籍、Youtubeやeラーニングで知識を吸収しましょう。

自分の時間も作れないほど疲れてしまい、生活するだけで精一杯であれば
職場を変えるほかないでしょう。

放任主義

「俺の背中を見ろ」タイプの指導方法がこれ。
令和の現代では臨床現場で実際体験しないと薬剤師として成長は期待できません。
調剤室でずっと先輩と付きっきりだった時代もありました。

それは過去の話です。

現代でも調剤部門は存在します。しかし若手の場合は早期に病棟へ行くことが多いので、病棟や外来で活躍している先輩は後輩を教育しなければいけません。
1教えて10覚える人材は部長クラスにのし上がる貴重なハイパフォーマーとなるでしょう。
大多数は普通の人です。
コツコツ積み重ねて一人前になるのです。

病院薬剤師の苦悩7選とその対策 こんにちわ、りんりんです。病院薬剤師は意外と狭き門になります。というのも、欠員補充が基本だからです。僕ら6年制序盤世代だと4年制薬剤師...

入職後に目指すべき道

無事就職試験もパスし、新たな職場へ勤務できたあなたへ送りたい項目です。
入ったら終わりではありません。
現状に満足したら薬剤師としての成長は止まってしまいます。

認定薬剤師

高度医療を提供している病院であれば研修施設認定を取っていることが多いです。
また先輩に各分野の認定指導薬剤師もいるでしょう。
認定を取るには筆記試験と単位取得のほか、症例報告があります。
がん患者さんがいないのにがん認定薬剤師にはなれません。報告する症例がありませんからね。
興味ある認定が見つかったら学会へ入りましょう。年会費がかかりますが必要経費だと割り切ってください。部費で落とせることもあるので確認しましょう。

筆記試験はひたすら知識を詰め込むしかありません。国試と同じです。
症例は日頃の業務で疑問に思ったら必ずキープしておきましょう。
後々、掘り返すよりかはストックしていたところから選出するほうが、遥かに効率が良いです。

薬学博士

ホワイトな職場に入職し休みも十分に取れて平日も時間に空きがあるけど、やることがない!勉強も既にしっかりできているしお金もある!という人にオススメ。

社会人大学院は茨の道です。
入れれば必ず卒業できるかと言われればそんなことありません。
入学時に学問への探求心を持っていなければ卒業はできないでしょう。

表面上は学生ですが、扱いは社会人です。
卒業研究のように1から教員は教えてくれません。
全ては自分で考えて、研究し、論文を書くのです。
大学院が用意するのは研究ができる施設環境です。

数年在籍して論文書けば学位もらえるんでしょ?という甘え考えは捨てたほうが良いです。
多くの人が膨大な時間とお金をかけたにも関わらず、途中で挫折してしまうのです。

教育

若手や学生指導に精を出すのも良いでしょう。
もちろんある程度、年数を経過して指導できる立場であればです。

実務実習指導薬剤師の認定を持っていると信頼性はさらに上がるでしょう。
職場に積極的に指導をする薬剤師がいなければ、あなたがなってみてください。

後輩や学生に声をかけ多くの関わりを生み出す。教育結果はすぐには出ません。
数年後に実を結ぶので地道に指導しましょう。

論文執筆

論文は功績が一生残る仕事です。
あなたがその場で共同執筆者と一緒に仕事をした証拠として世の中に出るのです。
薬剤師であれば、一生のうち一回はチャレンジしたい仕事だと僕は思います。

論文を書いたからと言って給料が上がるわけではありませんが、医療発展への貢献はできます。
症例報告でも貴重なエビデンスの一部となります。
最初はお作法もわからずリジェクトの嵐で書くのを諦めてしまうかもしれません。
投稿誌を変えたりする必要も出てくるでしょう。

全ては経験です。
やらなければ0、やれば1です。
1が積み重なればいつかは100になるのです!

まとめ

まとめ

病院薬剤師になりたい学生や今は病院以外に勤めていて病院転職を目指している人の役に立てるような記事を書いてみました。
病院薬剤師と聞くとネガティブな情報ばかり先行して、やりがいの搾取と言われがちですが
その働く魅力は多くあります。
特に多職種連携や医師との距離の近さは病院でしか味わえません。
自分のキャリアアップにも最高な環境です。
職場環境はほんとそれぞれで大きく異なります。
ぜひ素晴らしい病院で薬剤師になって働きましょう!!