こんにちわ、りんりんです。
今年の夏は暑くてとんでもない気温になっていますね。
夏バテで皆さんは寝込んでいませんか?
漢方と夏バテ・・・ないでしょ~と思いきや。
あるんです。
夏バテに効く漢方がね!
今回は夏バテに効く清暑益気湯の記事です。
まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?
実際の添付文書とそれを簡略化して記載しています。
症状
夏バテ。
証は虚証。熱感と気血水の不足がある状態。
具体的な病名
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠、夏やせ
構成生薬を紐解いてみます。
生薬名 | 読み | 組成量 | 薬能 |
---|---|---|---|
蒼朮 | ソウジュツ | 3.5 g | 補気 |
人参 | ニンジン | 3.5 g | 補気 |
麦門冬 | バクモンドウ | 3.5 g | 滋陰・止咳 |
黄耆 | オウギ | 3.0 g | 表の強化 |
陳皮 | チンピ | 3.0 g | 補気 |
当帰 | トウキ | 3.0 g | 補血・活血 |
黄柏 | オウバク | 1.0 g | 清熱 |
甘草 | カンゾウ | 1.0 g | 補気 |
五味子 | ゴミシ | 1.0 g | 滋陰・止咳 |
味やにおいなどといった性状
味:苦くてわずかに甘い
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖
苦みは陳皮や黄柏といった柑橘類から来ています。
甘味は甘草と人参からでしょう。五味子も多少入っているので酸味も出てくることが予想されます。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。
生薬の薬能
夏バテなら冷やした方がいいんじゃないかと考えがちですが、
清暑益気湯は不足した気血水の補充がメインとなります。
どれも有名どころの生薬になるので要チェックです。
- 気の補充…陳皮、人参、蒼朮、甘草
- 水(津液)の補充…麦門冬、五味子
- 血の補充…当帰
<表の強化>
上記では補充の役をもった生薬を紹介しましたが、黄耆は少し異なります。
意味合いとしては滋養強壮。
大雑把に言うと身体全体を元気にしてくれるということです。
例えると、エネルギーを補充させても身体の表面を強化しないとすぐに抜けちゃいますからね。
気血水がすぐに抜けないようにする相乗効果を期待します。
十全大補湯や補中益気湯にも同じく黄耆が含まれています。
実際どうやって使うの

夏バテ(消化器症状)
夏バテの症状といえば、下痢や食欲不振などと言った消化器症状になります。
構成生薬も消化器を強化してくれるような人参や陳皮が含まれます。
また、対象の証は虚証になるので体力が元々なくて痩せ型の高齢者にはうってつけの漢方となります。
夏バテと冷房病(冷え)は少し異なります。
特に清暑益気湯には清熱作用のある黄柏が含まれているため、冷え症状の悪化にもつながりかねません。


副作用

偽アルドステロン症
ミオパチー
どちらも甘草由来の副作用になります。
医療用の清暑益気湯には甘草が1.0g/day含まれるので、量としてはそこまで多くはありません。
しかし他の漢方と重複して飲むときは注意が必要です。
甘草の量はチェックしましょう。
まとめ

- 高齢者の夏バテには清暑益気湯
- 特に消化器症状に効果的
- 冷房による冷えには不適
- 甘草の重複には注意
8月もそろそろ終盤になり残暑となりますが、まだまだ暑さは続きますよ!
夏バテ気味の方は早めに対策してくださいね。
ではでは~。