生薬の話

生薬は修治をしないと使えないんです!

構成生薬

こんにちわ、漢方を飲むときは構成生薬をしっかり見てますりんりんです。
市販で流通している薬の中には中身は前から出ている漢方なのにあたかも新しく作りました~的な売り文句の薬があるのには少し納得がいかないと思う今日この頃。
それが通常の漢方より高値で売られてたら、あまりオススメはできません。
この記事では生薬のお話。生薬は天然の素材です。ただ単に採取してきて煮て終わり!
ではないのでいくつかご紹介します。
意外と漢方になるまでは面倒な工程を経ているんですよ~(笑

修治(シュウジ)とは?

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ここでは聞きなれない修治とはなんぞやを解説してきます。
患者さんのお手元に届く生薬はすべて修治済みなので自分で修治をする必要はありませんのでご安心を。

目的

生薬の加工には二段階あります。中国などの原産地で採取された生薬はまずその場で加工がされます。
これは修治ではなく、制法(日本では調製とか粗加工とも呼ばれる)が行われます。
制法が施された生薬は日本に輸入されて、日本の病院や薬局で二次加工が行われることを修治といいます。
修治は古くから行われており、古文書にも多くの記録が残っています。歴史的には制法は修治の一部として扱われ、その加工方法は修治と重複するところがあります。
つまり制法≒修治と考えてよいでしょう。

副作用を減らします

生薬の中には有毒植物(附子など)も存在します。人が使用しても毒性を発現しないレベルに加工する必要があります。
薬は毒にもなると言われるとおり漢方も同じですね。

また半夏などは刺激性があります。これも修治により刺激性を弱くしてやることで老人や子供にも使いやすくなります。

生薬の性能を変えます

同じ生薬でも加工の仕方で薬能や効能が変わります
生姜と乾姜、鮮地黄と乾地黄と熟地黄など。

生薬の性能を引き出します

酒や蜜で加工したり、塩漬けにしたりと料理と似てますね!
白ご飯や食パンだけでは味気ないですからね。やっぱり味付けしないと。
甘草の蜂蜜加工では炙甘草と言い、薬効を増強し胃腸を穏やかにする作用が加わります。
また遠志や升麻は蜜製することで咳止め効果と喉を潤す効果が増強されます。

品質の確保に

生薬も使いたいときまでは保管しないといけません。そんな時に虫食いや生薬自体が腐っていては使えませんよね。また味や臭いの矯正
使えない非薬用部分の除去、加工しやすいように加工する、などなど。

生薬自体の性能を変える以外にも修治の用途は様々です。

修治の方法

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現代の中国では「焔炙大法」に記載されている17法などを基本とし発展してきました。
個々の生薬に修治の方法があり主には下記の方法に分別されています。

治削

削って治す。字の通りですが、結構幅広い意味を持ちます。
薬用部位とは関係ない細かい毛だったり、芯を取り除いたり、漢方として加工するには大きすぎる生薬の場合は切断して細かく粉末化することもあります。
生薬中に夾雑物がある場合はふるいにかけて、夾雑物を取り除きます
例)枇杷葉の除毛、桃仁の種皮抜きなど

水製

水を使って生薬を処理する方法です。
天然物の生薬は採取したては泥汚れや虫がついていることがあります。
水でまずは洗い流して綺麗にすることが一番に思い浮かびますね。
洗う以外にも塩水やお米のとぎ汁やお酒などに生薬を浸して毒性や刺激性を弱くする方法もあります。
貝類や鉱物性の生薬は水中で研磨粉末化することで夾雑物を除きます

火製

火を使って生薬を処理する方法です。
綺麗になった生薬を本格的に加工します。直接的に火で炙るのが一番簡単ですが、方法としてはほかにも複雑に用意されています。間接的には弱火で乾燥させることも火製にあたります。
火に炙る方法も細かく分かれています。湿らせた紙や小麦ペーストで包んで蒸し焼きにするか。
鍋を使うのか。強力な火力で焼いた後に水で急冷する方法もあります。
また水を使って煮たり・蒸したりする方法は水火共製といいます。

その他

神麹などで発酵させる方法や、毒性のある油脂分を除いて粉末化することなど。
上記3つに該当しない方法は結構あります。
それこそ生薬ごとのオーダーメイドの方法になってしまいますので割と複雑だったりします。

生薬と修治

薬膳

修治による影響と生薬を考えてみましょう。
副作用が生薬の中でも強力クラスの附子と、色々な種類の人参をピックアップしてみました。

附子

附子はトリカブトの根から調製される生薬です。
これの副作用が実は結構怖いのです。トリカブトの新鮮根や乾燥根には強い毒性があります。中毒になると心悸亢進、心臓にダイレクトにきますので注意が必要です。
毒性はうまく使えば治療になります。強力な作用で身体を温めてくれるので痛みや冷えが強い人に附子末を単体で追加処方するお医者さんもいます。ただしこれも量を間違えると大変です!

附子の修治では方法が多く存在します。
基本はカラトリカブトの根を乾燥→川附子(日本だと川烏頭)
川附子を食塩と苦汁水で浸して乾燥→塩附子
塩附子を水で塩抜けして蒸す煮る→焔附子類

それぞれの加工の段階で名前があります。
日本では3種類の方法で附子の分類がされています。

  • 高圧蒸気処理
  • 塩水で浸して高圧蒸気処理
  • 塩水で浸して石灰加工

安全に使えるように減毒加工はされていますが、飲む量を間違えれば毒性発現してしまいます。

人参

人参は料理でもよく使うので親近感がありますね。
ここでいう生薬の人参はオタネニンジンの根になります。
滋養強壮のほか、胃腸の調子を整えてくれます。
人参には白参(ハクジン)と紅参(コウジン)に修治によってわけられます。

・白参は根っこをそのまま乾燥したり軽く湯通しして乾燥したもの。
・紅参は根っこを蒸して乾燥したものになります

日本で栽培される人参のほとんどは紅参へ加工されます。
その理由として

・害虫の予防
・成分の溶けだしを向上させる点
・見た目(紅く色づけが好まれる)などがある。

問題はこの修治の方法で白参と紅参どっちが良いかというところ。
やはり含有成分に相違はあるものの、大きく薬効を変化はさせないみたいです。
それであれば、紅参のほうがメリットがありそうですね。

まとめ

まとめ
  • 生薬は修治をすることで使えるようになります。
  • 修治は毒性の軽減や効能アップなど重要な加工方法です。
  • 料理みたいに切って、水や火を使います。
  • 修治をすることで生薬の含有成分は変わります。

患者さんの手元に届く漢方には色々と加工が施されています。
すなわち自生している生薬を自分で使うのは危ないという意味にもなります。
日本にはトリカブトも自生しているので、不用意に食べたりしないようにしてくださいね!
ではでは~。