おなかへの漢方

【T014】半夏瀉心湯は胃痛に効くけど虚弱ではない人へ!【ハンゲシャシントウ】

こんにちわ、ストレスで胃がキリキリする人っていますよね。仕事が立て込んでストレス過多になったときは胃痛じゃなくて口内炎と鼻血が出るりんりんです。
鼻血が止まらなくなるのは末期症状だと思うので気を付けてくださいね(汗
この記事では半夏が主役の半夏瀉心湯について解説していきます。
胃の調子を整えてくれる作用だけでなく近年では抗がん剤の副作用(口内炎)にも使われていますので、そんな話も盛り込んでいきましょう~!

まずは適応です。どんな症状に使えるでしょうか?

<適応>添付文書を少し簡略化しました。

症状

みぞおちのつかえや吐き気があり、食欲不振がある人。
おなかがゴロゴロ鳴って軟便や下痢がある人。
証は中等でおなかの症状がある人。

具体的な病名

胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ
口内炎、神経症

構成生薬を紐解いてみます。

生薬名読み組成量薬能
半夏ハンゲ5.0 g理気
黄芩オウゴン2.5 g清熱
乾姜カンキョウ2.5 g温め
甘草カンゾウ2.5 g補気
大棗タイソウ2.5 g補気
人参ニンジン2.5 g補気
黄連オウレン1.0 g清熱
ツムラ半夏瀉心湯7.5 g中

味やにおいなどといった性状

味:わずかに甘くて辛い
におい:漢方特有のにおい
添加物:ステアリン酸Mg、乳糖、ショ糖脂肪酸エステル

味は甘くて辛いなんてよくわかりませんね。
甘草の甘さと乾姜の辛さでしょうか、いずれもわずかなのであまり気にならない程度かもですが。
においは生薬特有のものです。漢方って感じがしますね。
添加物には乳糖が入っているので乳糖不耐症の方は注意です。お子様も注意が必要です。

生薬の薬能

キー生薬となる半夏が5.0 gと多めに入っていますね。
名前が半夏瀉心湯っていうぐらいですか、主役の生薬になります。
補気の生薬で気を補充して清熱と温めのバランスをとり主役の半夏が理気を起こすと。
専門用語だけでよくわからないですね!
というわけで用語もしっかりみていきましょう。
<理気>
半夏には補充された気を撹拌する作用の理気があります。
胃の気は食物を消化するうえで重要な役割を果たします。気が不足していれば胃の元気は不足し飲食物をうまく腸へ運ぶことができなくなってしまいます。飲食物が運べないことは心身ともに養分を得ることができなくなることに繋がりますので重要な役割でしょう。
<補気>
甘草、大棗、人参には補気の作用があります。
特に人参おなかの元気がないときに入れてあげると気が補充されうまく働いてくれます。
せっかく理気である半夏を入れても、撹拌する気が不足していては意味がありません。
↓↓↓理気と補気の関係はこちらの記事でも詳しく解説しています。↓↓↓

実際どうやって使うの

nomikata

がりがり過ぎず、ぽっちゃり過ぎずな中間証の人の食欲不振や胃痛に使います。

胃カタル、胃痛

胃カタルは胃炎のことです。
胃炎が起こると主に食欲不振だったり胃の不快感が現れます。
神経質の方でストレスなどのせいで胃に症状が出る方もいるでしょう。中間証であれば適応になります。
胃のむかむかがさらに酷くなり、吐き気などの悪心症状が出た場合は生姜を追加した漢方:半夏瀉心湯加生姜がおすすめです。また睡眠時、横になったときに胃の不快感があり眠れないときは甘草を追加した漢方:半夏瀉心湯加甘草を使います。

口内炎

抗がん剤由来の口内炎に対しては近年使われ始めたものです。
抗がん剤の種類にもよりますが、投与から1-2週間後に口内炎ができることがあります。
免疫抑制作用がある抗がん剤は口の中の免疫力を下げることで口の中の粘膜を口の中の菌が悪さをすることで粘膜がただれて口内炎が完成します。
口内炎予防には口の中を清潔にすること=歯磨き!これが大事。
虫歯も治療しといたほうが良いでしょう。

半夏瀉心湯の口内炎を改善する作用機序は研究でわかってきました。
・炎症を引き起こすPGE2の抑制
・口内炎の起因となるフリーラジカルの除去
・痛い止めや菌の増殖を抑える作用
これらの3つの機序が働き実臨床でも口内炎に対して使われており、根拠となる論文も出ています。

「Double-blind, placebo-controlled, randomized phase II study of TJ-14 (Hangeshashinto) for infusional fluorinated-pyrimidine-based colorectal cancer chemotherapy-induced oral mucositis」
この論文ではフッ化ピリミジン系抗がん薬治療を受けた大腸がん患者さんで半夏瀉心湯を使ったグループのほうがGrade2以上の口内炎改善期間を改善したことを報告しています。

<使い方>
簡単です!漢方を指示通りに水へ溶かし、口の中に含ませてガラガラするだけ!
症状に応じて、うがいした半夏瀉心湯水をそのまま飲んでしまっても大丈夫です。
必ず使い方は医療従事者に確認しましょうね。

副作用

これらの症状をもつ人には禁忌!

・アルドステロン症の患者さん
・ミオパチーの患者さん
・低K血症のある患者さん

甘草が2.5g含まれているため、上記症状がある場合は禁忌=使えません。
甘草の過量投与については下記記事を参照してください!結構重要です。

まとめ

まとめ

・半夏瀉心湯は気を補充して半夏で撹拌する。
・中間証の胃痛には半夏瀉心湯。
・抗がん剤由来の口内炎にはうがい+飲む!
・甘草の重複には注意。

自分の証が実証なのか虚証なのか判断つかない場合の胃痛には良い適応になるでしょう。
また適応に口内炎があるため抗がん剤由来でなくても、長引く口内炎には自分で使うのもありでしょう。
ストレス・神経性の胃炎は本当につらいものです。
漢方でうまくコントロールできればいいのですが。
ではこのへんで~!

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