おなかへの漢方

【T-100】大建中湯(ダイケンチュウトウ)はおなかを動かすから便秘と術後イレウス予防に!!

t100

こんにちわ!3高のメンズは至高と言われた時代がありましたが、高身長だけが取り柄のりんりんです★
この記事では医療用漢方の中でも、病院や調剤薬局には絶対置いてあるであろう、漢方
→大建中湯がなぜそんなに使われるかについて考えてみました。
セルフメディケーションというよりは実際の臨床現場で重宝している漢方なので、
市販で買う頻度は葛根湯とかに比べると少ないかもですね(汗
漢方のナンバリングも100番(ツムラ)と覚えやすいですし、薬剤師であれば絶対知っている漢方の一つです。

大建中湯(ダイケンチュウトウ)って何に使うの?

添付文書より抜粋ですが・・・
「腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの」
名前からも 建てる(調子を整える)、中(お腹)を
効能がわかりやすいですね笑

構成生薬は4つと単純。膠飴はデンプンであり味補正の甘味なのでカッコにしました。
・山椒  :温める作用
・乾姜  :温める作用
・人参  :気を補う作用
・(膠飴):気を補う作用
→つまり
虚証かつ寒証を上2つの生薬で温めて、気虚のお腹の調子が悪い人に使う漢方となります。
基本は便秘に対する処方ですが、冷えや腸の蠕動不安からくる下痢にも使えます。

では病院を始めとした医療現場では単に便秘で使っているのでしょうか!?
次の項目で答えが!

お腹の手術後に漢方が効いた!

手術なんて滅多なことしませんが、健康診断で偶然ガンが見つかったり・原因不明の腹痛で手術しなければいけないケースは病院に勤めていれば日常茶飯事で起こりえます。
手術後に使う薬には痛み止めや感染防止の抗生剤と多くの西洋薬が使われます。
しかしここ十数年で劇的に大建中湯が使われ始めたのです!
というのも、とある外科医がお腹の手術をした後に起こる術後イレウス(腸閉塞)に大建中湯を使ってみたら、
とても有効だったという報告が学会で発表されたからです。
術後イレウスになってしまうと再手術になってしまいます・・・
予防法は手術自体の操作だけでなく、腸をできるだけ動かしてあげることなので患者さんの協力も必要です。
大建中湯の有効性は広く知れ渡り、今では当たり前のように処方されるようになりました。

根拠となる論文を1つ。
田沢寛子:「たびたび起こる腸閉塞症の大建中湯小建中湯エキスによる治験」
消化器がんの手術患者さん1,134名を対象にした試験です。
術前に大建中湯を使用したことで術後イレウスの発生が有意に軽減されたことが報告されています。

有効成分の科学的根拠

漢方を構成する生薬は天然物のため有効成分は幾多にも含まれています。
大建中湯がイレウスに効く根拠は生薬に含まれる有効成分からも証明されています。
・山椒:サンショール
・乾姜:ショウガオール
・人参:ギンセンノシド
大建中湯は漢方にしては珍しく、有効成分の薬物動態(成分の身体への吸収や排泄など)が試験されています。

T100
サンショールはすぐに血中濃度が上がる!添付文書より引用

特記するべきところはサンショールがすぐに身体の中の血中濃度が上がっています。
身体がすぐポカポカしそうな気がしませんか?!
このグラフから有効成分がしっかり身体に吸収されていることがわかります。

まとめ

・大建中湯は術後イレウスに効果的である。
・漢方も科学的根拠に基づき効き目が証明されつつある。
・西洋薬よりも有用性が高いこともある!

大建中湯以外にももっと漢方が臨床現場で使われると漢方を勉強している自分としてはやりがいを感じるものですが、西洋薬に比べるとまだまだ浸透されていません。
漢方の有用性を積極的に医師へ提言し患者さんにとって最善の医療がなされるのも薬剤師の使命ですね!
ではではこのへんでなり~!